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ラングドック地方とルーション地方 (2011)

ラングドック地方の2011年は2010年のように水分ストレスを経験する事はなく、むしろ水分の確保は完璧でした。しかしこの年は偉大なワインの生産に十分な年ではなかった事に注意が必要です。

実際2010年ラングドック地方の秋はシーズンを通して平均降水量300mmを超す例年通りの雨を観測し、冬は穏やかながらシーズンを通してバランスの良い降水量を記録しました。

春は穏やかかつ時には暖かい気温で秋と冬に十分な水分の確保が出来ていたため確かにブドウの最適な生育サイクルのスタートを早めます。春は乾燥していましたが、夏は異なり場所によっては涼しくまた湿潤だった為、ウドンコ病やベト病と言ったブドウの病害の発生を手助けしてしまいます。 その為、夏の間病害はブドウに対してかなり強く圧力をかけた難しい月になりました。

幸いな事に収穫が近づいた頃、風によって病害は一掃され美しい収穫を提供します。実際に収穫の際は生産者達のノウハウのおかげで全般的に健康な状態で収穫が行われました。
成熟の不均一性は区画に基づいていることに注意が必要です。
2011年のラングドック・ワインは若いうちに飲んで美味しくフルーティーかつフレッシュなワインになりました。

ルーション地方はラングドック地方とは反対にこの時点の気候条件ですでに2011年が世紀のヴィンテージに位置づけられることを分かっていました。
実際、秋に大量の雨が降ったことで水分ストレスの問題は終わりを告げ、その後は雨があまり見られませんでした。10月は1ヶ月間で降水量170mmを記録しています。
気温は緩やかに下降し続け、12月には最も低くなりました。しかし冬はこの地域にしては寒く、病害を追い払いブドウ畑を清潔にするのに素晴らしい気温とも言えます。

春は5月に雨が降ったにもかかわらず暖かく乾燥したシーズンになり、このコンディションから均一な開花が見られたのに加えて生育サイクルが早まりました。
8月は暑かったですが夏は涼しく湿潤な気候。しかし幸いな事にルーションの風、とりわけトラモンターヌの風がブドウ畑から病害を追い払いブドウの緩やかな成熟に最適な環境を作り上げます。
しかしながら残念な事にコート・デュ・ルーション・ヴィラージュの区画、とりわけアスプレの多くの区画に暴力的な雹を伴った嵐がダメージを与えた事に注意してください。
このようなマイナス点があったにも関わらず健康かつ完璧な成熟を迎えたブドウが収穫されました。

2011年のルーション地方のワインはバランスよく優れたフィネスと素晴らしい芳香性をもっています。フレッシュ感も損なわれておらず、2011年のルーション地方は偉大なヴィンテージ、世紀のヴィンテージとも言える年になりました。

[参照元: www.vin-vigne.com]